月と太陽



そう言ってこちらを見る少女の顔を見てエセルは息をのんだ。


それは紛れもない六歳のころのエセル自身だったのだ。


エセルは背筋が凍りつくのを感じた。


恐ろしく不気味で残酷な笑みを浮かべた少女はエセルを見つめたままだ。


エセルはかつてない恐怖にかられ走り出した。


心の中で逃げても意味はないとわかっていてもエセルは走った。


まるでなくした鍵を探すかのように……
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