月と太陽
この二人がいて今の自分がいることをエセルは知っていた。


そんな二人の支えもあり、今では国の中でもトップクラスに入るほどの魔力の持ち主となっていた。


しかしそのために毎日が苦悩の連続であった。


厳しい訓練と忙しい城で暮らす日々。


戦争は激化する一方で、毎日この戦いで誰かが命を落としていく。


自分は一国の衛兵隊長で、国を守る立場にある事は辛すぎるぐらいにわかっている。


しかしその重さと厳しさは十六の少女には大きすぎた。


「はぁ」


このままこんな毎日が過ぎていくのだろうか。


疲れたようなため息をつくとパタンと倒れてうつぶせになり、いつの間にか眠りについた―――
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