月と太陽
自分の胸に手をおき、静かに目を閉じているエセルを見て、サウラーはにっこりと笑った。
「洞窟であった事は私には分からない。自分の闇を人に見せたくはないだろうからな」
サウラーは優しく言った。
誰かに似てる……
エセルはまたもや思った。
サスティンもそれに気づいたようでサウラーに問いかけた。
「どこかで会った事はないですか?」
それを聞くとサウラーは突然、笑い始めた。
ポカンとしている三人をよそにサウラーは言う。
「本人から聞いていなかったのか?」
そしてニヤッと笑うと言った。
「私はツェーラ大臣の弟だよ」