月と太陽
複雑に入り混じった城内の中でもその部屋は中心にあった。
エセルの部屋は東側の一階で、そこへは中央階段を使わなくてはならない。
本来、衛兵隊長格は二階の西側に専用の部屋があるはずなのだが、エセルは衛兵隊長に昇進した際に自身で一階の東側の部屋を希望したため、そこになっている。
一階東側の塔には、孤児や身よりのない子供達の部屋が並んでいる。
エセルやフェリアも十二歳までこの部屋で今まで生活してきた。
サスティンに限っては貴族である父が幼い頃から衛兵専用塔である西側の塔の部屋を希望したのだが、エメル城大臣であるツェーラがそれに反対し、やはりエセル達と共に東側の塔の部屋になったのだった。
衛兵部隊に入ってからはエセルやサスティンも(フェリアは違う部隊のため)衛兵専用の西塔の部屋を使っていた。
しかし昇格の際にやはり育ってきたあの部屋で、というのもあり、エセルは今の部屋を希望したのだ。
それに仲がよくなった子供達もその塔にはたくさんいる。自分とよく似た環境で育ってきた子供達もたくさんいるのだ。
けれどそれを見せない笑顔が溢れるこの塔がエセルは大好きだった。
エセルの部屋は東側の一階で、そこへは中央階段を使わなくてはならない。
本来、衛兵隊長格は二階の西側に専用の部屋があるはずなのだが、エセルは衛兵隊長に昇進した際に自身で一階の東側の部屋を希望したため、そこになっている。
一階東側の塔には、孤児や身よりのない子供達の部屋が並んでいる。
エセルやフェリアも十二歳までこの部屋で今まで生活してきた。
サスティンに限っては貴族である父が幼い頃から衛兵専用塔である西側の塔の部屋を希望したのだが、エメル城大臣であるツェーラがそれに反対し、やはりエセル達と共に東側の塔の部屋になったのだった。
衛兵部隊に入ってからはエセルやサスティンも(フェリアは違う部隊のため)衛兵専用の西塔の部屋を使っていた。
しかし昇格の際にやはり育ってきたあの部屋で、というのもあり、エセルは今の部屋を希望したのだ。
それに仲がよくなった子供達もその塔にはたくさんいる。自分とよく似た環境で育ってきた子供達もたくさんいるのだ。
けれどそれを見せない笑顔が溢れるこの塔がエセルは大好きだった。