月と太陽
広い廊下にコッコッコッというブーツの音が響く。


中央階段を登る途中小間使いや衛兵に会い、その度にエセルはにっこりと微笑みながら挨拶をした。


エセルの城での知名度は高く、城内でエセルの事を知らない者は恐らくいないだろう。


同様にフェリアやサスティンも知名度は高い。


それぞれに優秀な成績を多々残しているからだ。


中でもフェリアは仕事こそ裏方で、目立たないが、その容姿は一目置かれている所がある。


衛兵内でも結構な評判にはなっているが、それも本人は気付いていない事である。




やがてミーティング室の扉が見えた。


ここの前に立つといつも緊張して背筋が自然と伸びてしまう。


最初の会議の時も隣にいるサフィデスによく落ち着くように言われたものだ。


「ふう…」


エセルは一度ゆっくりと息をはくと扉を開け中へ入った。
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