月と太陽
二人はすぐに振り向いた。


扉の前に立っていたのは漆黒の瞳をした凛としたきれいな顔立ちの少年であった。


しかし少年、と言ってもその落ち着いた雰囲気からは少年らしさは感じられない。


綺麗な金髪で、耳には三日月の形をした小さなピアスをつけている。


「遅れてすまない」


こちらに来ながら少年は声を出した。


顔に合った少し低い声だ。


そして二人とは向かいの席にゆっくりと座る。


するとフェリアが少年に向かってからかうように言った。


「サスティン、あなたも寝坊?」


フェリアはクスクスと笑った。
< 26 / 201 >

この作品をシェア

pagetop