月と太陽



王と王妃は、なかなか子供が生まれなかった為、とても悩んでいた。


年々、年をとっていく自分たちを見ているしかなかったのだ。


やがて王は言った。


「もう私たちもこの年だ。このまま子供が生まれてこなければ私の後を継ぐ者はいなくなる。もう、あの魔法を使うしかありまい」


王妃はうつむいて考えたが、それしかないと思い小さく震えながらうなづいた。





その日、何があったかは誰にも分からない。


しかし何かあったのは確かだ。


なぜなら……
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