月と太陽



しばらくすると三人は荒らされた荷物をまとめ始めた。


するとフェリアが散らばった物を拾いながらエセルやサスティンに言った。

「ごめんなさい。二人共……
自分で言っておきながらこんな事になってしまって……」

うつむきながら泣きそうな声で言う。


そんなフェリアを見ながらサスティンはすくっと立つと穏やかな声で優しく言った。

「仕方がないさ。怪我をしたフェリアに
見張りを頼んだのは俺だし……
それに少しは自然の怖さがよく分かったしな」

ハハハとサスティンが笑う。


いつも冷静なのに時々表抜けた事を言うサスティンは少し変わっていると思う。


「自然の怖さなんてもんじゃないよ。死んでたかもしれないのに」

そんなサスティンに突っ込む私。


そんな私たちの会話にフェリアが笑う。


本当に変わった人ばかりだ。


私の周りにいる人たちは。


そんな事を思うとエセルはおかしくてクスッと笑った。
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