月と太陽
アクレス王妃は村長の一人娘で村一番の美女であり、きれいな空色の髪をした、とても頭のいい娘であった。


まさに才色兼備な彼女は特別例として当時、王子であったイワンと結婚したのである。


しかし、二人の結婚について国民の不満は募る一方だった。


南にある小さな村の娘が王族と結婚などをしては伝統が途絶えてしまうと思ったからだ。


このことにより国民の王に対する信頼は薄れていった。


しかし、王妃の優しさと心遣いを認め、民の王族の信頼はより深まった。


そのために王妃が即位をした時には反対する者は少なかった。


それでも昔の考えを持った人々は王妃が国の権利を引き継ぐ事に納得がいかなかった。


アクレス王妃は即位されたその夜一睡もせず王がする予定だったはずの仕事をこなしたという。
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