月と太陽
衛兵の一人はレオルの後ろにいる少年と少女たちを眺めた。


こんな子供が…


そう思ったが口に出して言う事はなかった。


しかし、土で汚れた服、傷だらけの手足。


十代の子供の姿ではない。


そう思うとかわいそうな気がした。


すると衛兵は、レオルに向き直り「分かりました」と静かに言った。


レオルは衛兵が門を開けてくれると微笑みながら言う。


「すまないな」


笑うと少し子供のあどけなさがあるなとエセルはレオルを見て思った。


隊長であるレオルの言葉を聞いたエセルは少し笑いながら「どうぞ」と招き入れた。
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