不機嫌な果実


「うぐっ」


はしたない。


ゲップが麻紀を襲った。


なんか、私のペースが乱れてる。


いや、乱されてる。


「大丈夫ですか?そんなに一気飲みしなくてもいいのに。でも、今日は酔い潰れても大丈夫ですよ!僕が責任持ってしっかり介抱しますから」


「酔ってなんかないし。それに、私が酔い潰れるわけないでしょ。いいから注いで!」


麻紀は、二杯目を要求した。

珍しい、こんなこと。


「そんなに急かさなくても注ぎますから」


ビール瓶に手を伸ばした小菅は、さっきと同じように途中まで一気に注いだ。


そして、一旦ビール瓶をテーブルに置き、さらにギリギリのラインまで継ぎ足した。


「あっ、零れるよ!」



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