不機嫌な果実
――翌朝。
耳をつんざくような蝉の音色で目を覚ました麻紀は、辺りを見回してあることに気付いた。
「きゃあああああ!!!」
慌てて、布団を剥ぎ取った。
「なんで?ちょっとどういうこと?」
隣には上半身裸の小菅が寝ているではないか。
慌てて、自分の身体を確認する。
ちゃんと下着を着けている。
「よかった……」
ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、冷静になると嫌なことに気付いてしまった。
下着を着けているということは…
「――嘘でしょ。ま、まさか…!そんなバカな……!」
最悪のシミュレーションを頭で描いた麻紀は、混乱して鯉のように口をパクパクさせた。