不機嫌な果実
昼休憩が終わり、会社に戻ってからも麻紀の胸の内は複雑だった。
宿を決めたり、プランを練るのは幹事として、当然のこと。
でも、『部屋割り』という大仕事がまだ残っている。
それも、幹事の務め。
分かってはいるものの、それが目下一番頭の痛いこと。
大部屋ならいざ知らず、二人から四人となると、人間関係が面倒くさい。
しかも、女性社員は皆、噂好きと来ている。
当然、夜ともなると、恋バナ(恋愛話)にもなるわけで……。
そうなったら今の私には、ちょっと辛い。
いっそのこと、私は男部屋で雑魚寝でもいいのだけど。