心の時計
あたしは、びっくりして、



ホントにホントにびっくりして、



何も言えずに固まってしまった。



さっきまで、さんざん妄想してたくせに…



現実に起こると、



うなずくこともできないなんて…



何か言わなきゃ、



何か言わなきゃって思ってるのに、



それ以上頭が働かない。



あたしも、大山君も固まっちゃって…



2人の間には、気まずい空気が流れる。



どうし、よう…



あたし、あれだけ妄想してたくせに、



いざとなると何も言えないじゃん、とか



心の中で自分にツッコンでみたけど、



マジで笑えないし。



心臓が、ヤバい速さで動いてる。




「あ、あの…ね…。」




あたしは、もう、



これ以上出せない



ってくらいの大声を出した。





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