ワインディング ライフ
転落

誕生日

 灼熱の昼下がり。
暑さが判断力を狂わせたのか、
すでに狂っていたのか判然としない。
もう言葉を吐き出していた。

「離婚だ!!」
 
その日の前の晩、
朝方まで妻のアンナの仕事の手伝いをして、
疲労が溜まっていたことは否めない。
でもそれだけで
「離婚」という言葉が
出てくるはずもない。


彼女は酷く狼狽し、

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