ワインディング ライフ
意図的に周りの人間から隔離された。
孤立無援の心もち。
新しい友人は
すべて彼女の息がかかっている。
アンナに対する怒りや
間違った価値観、
自分の立場や気持ちを
理解するに至らなくても
認知してくれる人が
一人もいなくなっていた。

私の話を聞いてくれる人が、
いや、いつしか話をすることさえも
はばかられ、一人内側に潜り込んでいった。
「話してもどうしようもない。」
そんな答えを見つけるだけになっていた。

帰るのが嫌で嫌でたまらなかった。
いつしか仕事の合間を縫って
逢瀬をするようになった。

一時の背徳的な快楽
毎日の携帯チェックをしているせいか
アンナは驚くほど
疑いを持たず、
蔑まれの日々を
裏切りの微笑みに変えて
心の平衡を保っていた。

いつか別れてやる・・・


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