ワインディング ライフ

「ビザが切れるの・・・」
これが決定打だった。
プロポーズもなく
結婚の約束をした。

仕事は順調で、収入もウナギ登り、
調子に乗っていた時期でもある。

ほかにもいろいろと
なんだかんだいって
理由をつけては
結婚を迫るアンナ。

もう愛情を感じていなかった。
そうに違いない。
だから彼女は待てなかった。

実は、外国人との結婚は
そう簡単ではない。
外務省やらイタリア領事館やら
何往復する必要がある。
入国管理局では
二人でいる写真を
数葉要求された。

事務的な手続きをして
区役所に婚姻届を
提出した時
何か釈然としない
後悔の念を
今でもはっきり憶えている。

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