友のしるし。
ただ。ないていた。






「直す・・・からぁぁ・・・!直すからさぁぁ!許してよぉ・・・」






力なく呟くその声は、苦しかった。






「うるさいって言ってんでしょう?!邪魔!」






しがみついた美華を押しのけ、ズカズカと廊下に出てった。






「ねえ!ねえ!!」







最後の力を、振り絞って喋った。







「あの、約束忘れたの?!一緒に居るって!酷い・・・!酷いよ!」






梓は、無視した。






少しつらそうな表情を見せて。
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