空からのラブレター
遊馬は、ひっくり返った。
私は、走って逃げた。
嫌!嫌だよ…
私は、とにかく走った。でも、追っかけてくる…

「…ッた…助けて…宗吾さん…」

宗吾さんの病室の近くで呟いた。
けど…助けてくれないよね。

涙を流しながら、病室を通り過ぎようとすると…

いきなり横から抱きしめられた。そして、病室に連れ込まれた。

「…!嫌っ…」

振りほどこうとした。誰!?

「結衣!俺だ!」

…宗吾さん?
宗吾さんなの?
夢じゃないよね?

私は、宗吾さんに抱き着いた。

「うっ…宗吾…さん」
「大丈夫。大丈夫だ」
遠くから遊馬の声が聞こえる。
けど、今は…宗吾さんだけを感じていたい。

温かい宗吾さんのぬくもり。


―春―

初めてあなたの心が見えてきた季節。
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