空からのラブレター
いつまでも続けばいいのに。時間を忘れるくらい…
松さんが病室に戻るのを見つめながら宗吾さんに寄り掛かった。
空を見上げて、宗吾さんが言った。

「ずっとこの空を見ていたいよな?」

私が頷くと、またニコッと笑った宗吾さん。
ずっとずっと、宗吾さんと同じ空を見ていたい。
ずっと…

「結衣、初めて会った時…覚えてるか?」

覚えてるよ。私は大きく頷いた。

「ウサギみたいにオドオドしてて…」

だったね。緊張っていうか、なんていうか…

「でも、可愛いって思えた」

私はカッコイイって思えた。
誰にでも優しい宗吾さんだから、私は好きになった。

ねぇ、宗吾さん。この想い…いつか伝えるね?

いつか…

< 64 / 72 >

この作品をシェア

pagetop