空からのラブレター
「秋になったなぁ。ずいぶん」

《確かに…ちょっと寒くなってきたね》
「でも、結衣の大好きな食欲の秋だろ」

ひどいっ!そんなに食べないからっ。
私に似合う言葉は…読書の秋、芸術の秋!

ふふふ。宗吾さんは知らないだろうけど、私の部屋には分厚い本がいっぱいあるんだから。

「なぁ、結衣」

ん?どうしたの?
真剣な顔で見つめられた。
…何かあったのかな。

「実はな…」

大きく頷いた。
深刻な話なの?

「団子もらったからやるよ」

…え?深刻な話じゃないの?
団子って…

「食欲の秋だからピッタリだろ」

また意地悪だ!
もう、そんなに食べないんだから!
太っちゃうんだから!

「結衣の為に…」

「!」

本当?なら、食べようかな。
紙に書いて宗吾さんに渡した。

《一緒に食べよう》
三本あるし…一緒に食べたいし。
< 66 / 72 >

この作品をシェア

pagetop