美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 ―動けェェ!―

 〔ファァァン!〕
 電車が姿を現しました。

 「ユイ!」

 「だって、だって…!押し出すしかないじゃん!」


 「……っ!」
 たまらず、美幸さんはユイのもとへ駆け出しました。

 また、硬直する大人達の中からも、やっとすべき事に気付いた者の中から、三人が救援の手を差し伸べます。


 「せーの!」
 ユイは線路の窪みに爪先を引っ掛け、全身の骨が軋んで悲鳴を上げる程、力を絞り出します!

 ―動いてェェ!―


 …しかしやはり合わせて5人の力では、横転した車を動かす事は出来ません!


 〔ファァァン!〕

 どうする事もできないユイ達を咎めるように再三、警笛が鳴らされます!


 「…ダメだ!逃げよう!」

 「さぁ、こっちへ!」
 ユイの手を引いたのはサラリーマン風の男でした。


 男の人の手……

 「諦めよう!ムリだ!」
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