美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 中肉中背。
 その男が特段、逞しいわけではありません。

 しかし、当たり前の事ですが…男の手は少女の手とは明らかに違います。


 (男の人の手…こんなのが6つもあれば、 きっと、あのお母さんを助けられるのに…!!)


 「ダメだ!さぁ早く!君も死んでしまう!」


 「…違う!」


 ユイは男の手を振り解いて再びを車に駆け寄ります!


 …この瞬間、ユイには時間が止まったように感じました。

 周囲をぐるりと見回します。
 迫る電車

 踏切を囲む多くの乗用車

 何かを叫んでいる美幸さん

 手を貸してくれた人

 手を貸してくれなかった人

 車に乗ったままで、手を貸してくれなかった男達

 手を貸してくれなかった男達…

 (その大きな手は何のためにあるの!?
 その硬い体は何のためにあるの!?
 赤ちゃんも…赤ちゃんも産めないくせにィィ!!)

 一瞬ですが、ユイは周囲の無慈悲に“悲しみ”を覚えました。

 いえ、それだけではありません。
 “怒り”と“憎しみ”に心を震わせました…!


 つまり…この時ユイは…
「悲愴」「憤怒」「憎悪」を世界に“入力”したのでした!


 そう、それはまさに“竜”の大好物なのです…
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