美少女戦士
イグニス・ドラグーン・ユイ!
(あれは…出会って半年後ぐらいだったかな…)
……………
…………
「ねぇ、裕さん?」
中学生の美奈子は、制服のリボンを正しながら流れる車窓の風景を見ていました。
心は理屈も無く踊っていて、行き交う人々の誰よりも自分こそが一番幸せだ、と思えてなりません。
「うん? やっぱり『ロード・オブ・ザ・リング』にするって?」
裕は前方を注視しながら、笑います。
「だから~、怖いの嫌なの!『能力者の精神安定に繋がる娯楽』じゃないわ」
「はいはい。で?」
「いや別にいいんだけどね、前の“デート”見られたの。クラスの男子にィ」
今の美奈子からは想像も出来ない大胆さで、少女・美奈子は“デート”と
言ってのけたのです。
「なっ…!何だって?」
「何取り乱してんの?前見て運転して下さい!」
「あ、はいはい…。 ……ったく、いやあのなぁ、これは…」
「…何よ?」
「いや、まず君は…まず…中学生じゃないか」
「何よ!意地悪言うつもりなら“闇竜”出すわよッ」
「いや違う! …君を嫌いなワケないだろ…。ただ歳の事が…って何言わせんだよ…!」
「アハッ、ハハハ!」
「何だよ…」
「子ッ供ぉ~!」
「何が!?」
「子ッ供~、子ッ供ぉ~!」
……………
…………
美奈子はまたも、思い出し笑いをしてしまいます。
「ウフッ! フフフフ…」
それらの記憶は不思議といつまで経っても厭味な思い出にはならず、こうして、成熟した女になった美奈子に対しても、何一つ分け隔てる事なく燦然と微笑みを分けて与えてくれる灯火なのでした。
……………
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「ねぇ、裕さん?」
中学生の美奈子は、制服のリボンを正しながら流れる車窓の風景を見ていました。
心は理屈も無く踊っていて、行き交う人々の誰よりも自分こそが一番幸せだ、と思えてなりません。
「うん? やっぱり『ロード・オブ・ザ・リング』にするって?」
裕は前方を注視しながら、笑います。
「だから~、怖いの嫌なの!『能力者の精神安定に繋がる娯楽』じゃないわ」
「はいはい。で?」
「いや別にいいんだけどね、前の“デート”見られたの。クラスの男子にィ」
今の美奈子からは想像も出来ない大胆さで、少女・美奈子は“デート”と
言ってのけたのです。
「なっ…!何だって?」
「何取り乱してんの?前見て運転して下さい!」
「あ、はいはい…。 ……ったく、いやあのなぁ、これは…」
「…何よ?」
「いや、まず君は…まず…中学生じゃないか」
「何よ!意地悪言うつもりなら“闇竜”出すわよッ」
「いや違う! …君を嫌いなワケないだろ…。ただ歳の事が…って何言わせんだよ…!」
「アハッ、ハハハ!」
「何だよ…」
「子ッ供ぉ~!」
「何が!?」
「子ッ供~、子ッ供ぉ~!」
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美奈子はまたも、思い出し笑いをしてしまいます。
「ウフッ! フフフフ…」
それらの記憶は不思議といつまで経っても厭味な思い出にはならず、こうして、成熟した女になった美奈子に対しても、何一つ分け隔てる事なく燦然と微笑みを分けて与えてくれる灯火なのでした。