美少女戦士
イグニス・ドラグーン・ユイ!
思い切り振り抜かれた彼女のサウスポーから放たれたコーヒーの空き缶は、
球速40キロほどでゴミ箱を目指しました。
…目指したつもりでした。
「あらら…」
空き缶はあらぬ方向へ飛んでいき、ゴミ箱に入る入らない以前に、遥か右方の駐車場へと飛んでいってしまいました。
「……初めてだもの」
モラル意識の高い彼女はいつもならその空き缶を拾いに行ったことでしょう。
でも今日は、
(たまには悪い事をするのも心には必要なのよ)
と、笑い飛ばしてみるのです。
「知ィらない!」
彼女は心の中で笑いました。
その生まれて初めての投球は不思議と彼女を元気付けたのです。
(野球って楽しい…?デートをほっぽり出して、バッティングセンターにでも行ってみようかしら?)
……と、冗談はさておき、
「さて…」
と、彼女は携帯を取り出します。
ともかく、今晩、デートを行くにせよ、哀れな彼氏を誤魔化してバッティングに行くにせよ、家でゴロゴロするにせよ、
ともかく!
“この電話”をかけなくては始まらない…!
(今の私なら、大丈夫…)
そのようにして、彼女がおもむろに電話帳から選び出した宛名は、そう、『藤間裕』……
球速40キロほどでゴミ箱を目指しました。
…目指したつもりでした。
「あらら…」
空き缶はあらぬ方向へ飛んでいき、ゴミ箱に入る入らない以前に、遥か右方の駐車場へと飛んでいってしまいました。
「……初めてだもの」
モラル意識の高い彼女はいつもならその空き缶を拾いに行ったことでしょう。
でも今日は、
(たまには悪い事をするのも心には必要なのよ)
と、笑い飛ばしてみるのです。
「知ィらない!」
彼女は心の中で笑いました。
その生まれて初めての投球は不思議と彼女を元気付けたのです。
(野球って楽しい…?デートをほっぽり出して、バッティングセンターにでも行ってみようかしら?)
……と、冗談はさておき、
「さて…」
と、彼女は携帯を取り出します。
ともかく、今晩、デートを行くにせよ、哀れな彼氏を誤魔化してバッティングに行くにせよ、家でゴロゴロするにせよ、
ともかく!
“この電話”をかけなくては始まらない…!
(今の私なら、大丈夫…)
そのようにして、彼女がおもむろに電話帳から選び出した宛名は、そう、『藤間裕』……