美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 そう。

 偶然にもユイに取られて、しかも何を伝えるわけでもなく切られてしまった、昨晩の電話の続きです。

 この電話で、藤間裕に伝えなくてはならない胸中が彼女にはあったのでした。

 美奈子は携帯を握りしめ、深呼吸します…。

 “光竜”の覚醒…。
 そして、
 “ゼウス・サイン”の不吉…。

 間違いなく、藤間裕が、自分を巻き込みまいとして立ち回っている事は彼女にも分かっていました。
 
 というのも、本来ならば不穏な“野良竜”の気配を8課が察知したのなら、まず第一に美奈子のような制御下の能力者に協力が要請されるハズだからです。

 実際、以前までは、つまり彼女が中~高校生の頃には、美奈子のように8課に監督されたEPD能力者が他にも2人いて、美奈子と合わせ3人組で今回のような事件の処理に協力していました。

 EPD能力者(ドラグーン)の対“野良竜”探偵の3人娘として、8課の中で
親しみを込め、おどけて、『Cuty Dragoness(es)』と呼ばれていた、そんな時代もあったのです。
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