美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 しかし…それはもう、6年も前の事です。
 現在(いま)は、その頃の仲間はいません。

 「『亜美』も『まこと』も日本にはいないんだもの…」
 美奈子は自分に言い聞かせるように、その事実を独り呟きました。

 また、現在(いま)の彼女にあの頃の力はありません。

 …だからこそ…藤間裕は美奈子を巻き込みまい、としたのでしょう。

 しかし…!
 しかしです。
 
 現在、日本で唯一の制御下のEPD能力者として、自分の力を貸さないわけにはいきませんでした。

――私なら大丈夫、手伝わせてほしい――
 美奈子は昨夜、そう伝えようとしたのでした。

 彼女は携帯を耳に当てました。
 

 「たぶん…これで、僅かばかり“日常が終わる”…」

 美奈子は最後の深呼吸をします。
 ほぼ同じ時刻、別の場所で、美幸さんが言っているように『日常の綻び』を見つけ出し、処理しようと言うのです。

 「さぁ。戻るのよ、わたし…。“竜探偵”に…!」



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