美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 『闇竜』は主である美奈子に触れられた事で定常化され、元来の知性を取り戻したのです。

 それは…紀元三万前に、世界が人間の生の感情で満ちていた頃の、生物としての竜の姿です。

 【やれやれ…。体が“薄い”な…】
 闇竜は六年ぶりの自分の体を点検して、ぼやきました。

 それは何とも滑稽で、しかし故に温厚で大きな器量を感じさせる言い様でした。


 「私、24歳になったのよ?子供の頃と同じに敏感じゃ、潰されちゃうわ」

 竜は人の感情の起伏によって定常化させられるので、宿主の成熟は、大抵の場合、このような弱体化現象を引き起こすのです。

 
 【そういうものか…】


 「そういうものよ」

 闇竜の顔は美奈子のそれとちょうど同じぐらいの高さにあって、そのために
彼女は容易に“従者”の篤実を確認する事ができました。
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