美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「…何が言いたい?」
 いえ、少年は分かっていました。けれど、認めたくなかったのです。
 少年は憤慨し、同時に、事実に抗うように言いました。


 「その気持ちは…虚空の宇宙を彷徨うのか?異次元の闇にバラ撒かれるのか?」


 「感情の行方…?」

 そう『感情の行方』です

 ……『感情の行方』……


 「“蓄積する”んだよ。世界に。それで、力を持ったまま『新たな主』を探すんだ」

 博士は再び、壁に頭をぶつけます。

 ドン、ドン、ドン。


 「感情が一人歩きするのか? 幽霊みたいに…!?」


 「言霊というだろ?サザン・オールスターズも『愛の言霊』と歌ってるだろ? 時代を批判するつもりはないがな、人間は産業革命以降、心を失ったんだ。だからさ、人には心が無い。無いから“感情には居場所”がない。昔は、それらの感情が、“竜”を定義していたんだ。昔はな」
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