美少女戦士
イグニス・ドラグーン・ユイ!
『大丈夫。 あなたはまだ、人を愛せる』
「――!!」
この一瞬、その台詞を直に耳で聞いた美奈子も、そして上空で感受した竜一も、言葉を絶しました。
その間にもユイは激痛と朦朧と闘いながら、光の渦を進み、ついに達也の身体を見つけ出したのでした。
そして彼女が練乳のように濃い光の中に手を入れると、指先が何か硬いモノがぶつかったのを感じました。
それは、少年の頭でした。
いつも扱っているバレーボールより一回り小さい、子供の頭…。ユイはそれを優しく両手で掴みました。
遺伝子に刻まれているのでしょうか。
ユイはこのとき、少年にしてやるべきことが、ありありと分かりました。
「大丈夫よ」
ユイは少年の頭を引き寄せると、額にキスをしました。そして深呼吸するように、少年の頭から溢れる光を吸い込んでいったのです…。
同様に、『炎竜』は『光竜』の放つ虹を吸い込み始めました…。
――――
―――
『炎竜』がついに光を吸い尽くすと、館内はようやく地球水準の明るさに落ち着きました。それまではきっと、水星の、快晴の日の正午より明るかったに違いありません。
「ぼく……」
と、達也が言いました。
光が収まるとユイの前には、栄養失調でみすぼらしい、けれど純潔な目をした少年が震えていました。
「ぼく…ね……」
「――!!」
この一瞬、その台詞を直に耳で聞いた美奈子も、そして上空で感受した竜一も、言葉を絶しました。
その間にもユイは激痛と朦朧と闘いながら、光の渦を進み、ついに達也の身体を見つけ出したのでした。
そして彼女が練乳のように濃い光の中に手を入れると、指先が何か硬いモノがぶつかったのを感じました。
それは、少年の頭でした。
いつも扱っているバレーボールより一回り小さい、子供の頭…。ユイはそれを優しく両手で掴みました。
遺伝子に刻まれているのでしょうか。
ユイはこのとき、少年にしてやるべきことが、ありありと分かりました。
「大丈夫よ」
ユイは少年の頭を引き寄せると、額にキスをしました。そして深呼吸するように、少年の頭から溢れる光を吸い込んでいったのです…。
同様に、『炎竜』は『光竜』の放つ虹を吸い込み始めました…。
――――
―――
『炎竜』がついに光を吸い尽くすと、館内はようやく地球水準の明るさに落ち着きました。それまではきっと、水星の、快晴の日の正午より明るかったに違いありません。
「ぼく……」
と、達也が言いました。
光が収まるとユイの前には、栄養失調でみすぼらしい、けれど純潔な目をした少年が震えていました。
「ぼく…ね……」