美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「何も…」

“何も言わなくていい…”


 ユイは何も答えず、ただそっとその手を握ってやります。

 するとその小さな手は、すべき事に気付いたかのように、しかと握り返してきました。

 その事にユイは微笑みます。
 「…できるじゃん」


 それは、愛の原始的な表現。 誰もが知らぬ間に親から教わる、最初の行為。

 愛とは他者を認める事なのでしょう。
 手を握る行為は彼にとって果てしも無く大きな人間としての第一歩だったのです。
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