美少女戦士
イグニス・ドラグーン・ユイ!
それから二人はどちらからともなく、座り込みました。
「達也くんのこと、ありがとう」
竜一が沈黙を破りました。
「僕ではどうにもならなかった。必死に…。必死に、救おうと思ったんですけど…」
竜一はどこを見るでもなく、ただ感謝を述べました。
しかし、美奈子はそれには答えませんでした。答えずにただ……
「…竜一くん、“こっちにおいで”」
と言うのでした。
――こっちにおいで
――こっち…。こちら側に。この醜くも美しい世界に
美奈子はゆっくりと、竜一に手を伸ばしました。しかし、手が触れた瞬間、ビクリと竜一は拒絶します。それは反射に近いものでした。
「美奈子さん…。ダメです」 と辞する一方で、しかし、少年はこう言いました。
「……あの、さっき見つめてたのは、実は顔じゃないんです」
その声に竜王の響きはありません。最凶のドラグーンは、ただ今、思春期の少年としての恥じらいと興奮の中に声を震わせました。
「見てたのは…髪が…。 美奈子さんの髪、綺麗だなって…。 触っていいですか?」
「達也くんのこと、ありがとう」
竜一が沈黙を破りました。
「僕ではどうにもならなかった。必死に…。必死に、救おうと思ったんですけど…」
竜一はどこを見るでもなく、ただ感謝を述べました。
しかし、美奈子はそれには答えませんでした。答えずにただ……
「…竜一くん、“こっちにおいで”」
と言うのでした。
――こっちにおいで
――こっち…。こちら側に。この醜くも美しい世界に
美奈子はゆっくりと、竜一に手を伸ばしました。しかし、手が触れた瞬間、ビクリと竜一は拒絶します。それは反射に近いものでした。
「美奈子さん…。ダメです」 と辞する一方で、しかし、少年はこう言いました。
「……あの、さっき見つめてたのは、実は顔じゃないんです」
その声に竜王の響きはありません。最凶のドラグーンは、ただ今、思春期の少年としての恥じらいと興奮の中に声を震わせました。
「見てたのは…髪が…。 美奈子さんの髪、綺麗だなって…。 触っていいですか?」