美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ！

　その晩、８課に呼ばれた美奈子にＺは――

　「そうなのかね？　美奈子ちゃん」と念を押しました。

　Ｋの報告を疑ったワケではありません。しかし…「『指輪』は取り返せなかったのか？」という疑問は捨て切れなかったのです。


　「は、はい」美奈子は、やれやれまるで尋問だな、と内心思いました。
「そのよう隙はありませんでした。また、私の『闇竜』は一昨日の一件で衰弱していたので、力づく、というわけにもいきません」
　

　「そうです、課長。　もっとも穏便かつ最善の方法を、美奈子は選んでくれたと思います、私は」
と、裕は美奈子を擁護します。
　しかし、それ故、美奈子は裕に対し背徳感を想起してしまうのです。
　ただ、ふと横を見ると、その事を知っているＫは、小さく（気にしなくていい）と首を振ってくれていました。