美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

愛という名のもとに

 第三章
 ~物語の名は~
 第二節
  ~愛という名のもとに~

 学校は『ゼウス・サイン』の話題で持ちきりでした。そのオカルトチックな部分に狂信している者もいますが、大概の女子中学生は花火大会ぐらいに思っているのでしょう。


 「美幸も、どう?」
 下校の掃除をしている美幸さんに声がかけられました。


 「え、何が?」
 美幸さんは箒の手を止めて振り返ります。


 「渋谷いくの! なんかすごい人が集まるらしいよ」


 「あ、危なくない?」
 美幸さんがそう言ったのは、彼女が心配症であるという理由だけではありません。

 それは、彼女の中である確信があったからのなのです。その仕業が『ドラグーン』によるものであるという確信……。
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