美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 三人のドラグーンは遥か海の向こう。南竜一の狂気に立ち向かえるドラグーンは深津美奈子、ただ一人…
 
 そんな絶望的を含んだ裕の言葉を――
 「いえ…!」
 と、美奈子は振り払いました。

 あの事件以来、彼女はどこか達観した雰囲気を纏っています。

 「……むしろ、“私達だけにどうにかして欲しかった”のでは?」
 

 「どういう事?」
 Qは助手席から後部座席の美奈子に振り向きました。


 「竜一くんは、言ったんです。『達也くんの事、ありがとう』って。彼、あの時図書館に居たんでしょう?」
 

 「ああ。図書館の上空だけどね」
 

 「だからそれって、実は『僕も助けて欲しい』って事なんじゃないか、と思うんです。ありがとうって感謝の言葉ですよね? 私達のした事に、善良な何かを見出したのは間違いないんです」
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