美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「そう、私、ユイちゃんの事好きになっちゃった。昔の自分を重ねているのかもしれないし、自分の娘みたい思えてるのかもしれない。どっちにしても、これ以上あの子を巻き込みたくないわ。 …それに“片想いの相手”と戦わせられないしね!」


 「そうか…」
 裕は小さく頷きました。


 「じゃあ、南竜一を監視してるKに連絡をとりましょう」
 Qは専用トランシーバーを手にします。
 「美奈子さんが、もう一度、南竜一に会えるように。 それはそう、破滅を回避するラストチャンスね」


 「お願い」


 「決まれば簡単だ。とりあえず現地へ」
 裕は発車させます。
 「南もそこにいる。ヤツの予告した場所、渋谷に行こう」



―――それから何分経ったでしょう

 Kからの応答を待つ、無言の車内に突如、裏返った素っ頓狂な驚嘆が響きました。

「――え? …何!!」
 裕でした。彼はなんと三分も車を転がしてから、気付いたのでした。
 「さっきの…。まさか『片想い』って、『あの片想い』か!?」


(それ以外のどんな『片想い』が…)
と、Qと美奈子は苦笑しました。
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