美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 一方、病院では――
 
 「何よパジャマ見られたくらい!」
 小児病棟のプレイ・ルームで遊ぶ達也を見ながら、母娘はベンチに腰掛けています。
 麻衣はこの病院で勤務医として働いており、その休み時間を利用しての見舞なので白衣姿です。
 
 「だってぇ…」


 「その先輩って、どんな子なの?」


 「え?」
 ユイは頬を染めました。
 「どんなって…。あ、頭いいよ」


 「それだけ?」


 「スポーツもできる。男バレの部長なの」


 「ふぅん。見た目は?」


 「な、何ていうかな? ともかくパパよりはカッコいい」


 「あぁ、じゃあ、アンタにゃ無理だ」
 麻衣は持ち前の毒気で笑いました。


 「ヒドイ!」


 「だって、パパはこの私が選んだんだもの! アナタ、私に勝てるとでも?」


 まったくヒドイ母親です……
 いえ。この過ぎた冗談は意図したものなのです。麻衣は娘の思春期の部分を逆撫でし怒らせ、現実に引き戻そうとしているのです。
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