美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「え? ママ、どうやんの?」

 「さぁ?」
 麻衣は肩を窄めます。
 「入院は退屈だって言ってたじゃない? まぁゆっくり説明書でも読んでさぁ」


 「意地悪!」


 「だって、自分でイジるのが面白いんでしょう?」
 麻衣は時計を確認し、立ち上がります。
 「――そろそろ戻るわ、じゃあね。 あ、あと、携帯は診察病棟には持ってきちゃダメよ」


 「はいはい」
 麻衣は白衣をマントのように翻して颯爽と歩いていきました。 


 「――ふぅ、まったく、ひどい母親だわ! ねぇ、タッちゃん」

 達也はそれには答えず、ユイの手の中の携帯電話を珍しそうに見つめていました。

 すると突然に――


 「…ん~なんか、光ってるよ」

 その携帯電話が不意に着信を訴えたのでした
< 266 / 447 >

この作品をシェア

pagetop