美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 ―――
 同時刻、ユイは消灯時間を前にして、小ホールのテレビの前にいました。

 TVでは局の中継ヘリからの映像が流れていました。

 「ご覧下さい! すごい人数です! 若者の社会への反抗心が今、大波となって――」
 と、リポーターは言いますが、彼が一体何を知っているというのでしょう。
 ユイと同年代の入院患者が小ホールのソファに座って、そんな“当たり障りのないテレビ中継”を眺めていました。

 隣では高校生の足を折った患者が、
 「うん平気、ここは使っていいの。え? なに? うん、見てるよ。すごい人だねぇ」
 と、友人と電話しています。

 彼女の友人はその雑踏の中から電話してきているようです。
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