美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
  「フフッ…。それでいいんです、美奈子さん」
 竜一は余裕の表情を崩しません。
 それは殺そうが殺されようが、自分の勝ちであるという表情なのです。

 その彼の心を改めてさせぬ限り、美奈子に勝利はありません。

 少年の厭世観、世界を畏れ、呪う心を砕かぬ限り、少年はドラグーンの力に囚われ続けるでしょう。そしていつか、人間に戻れなくなるのでしょう。『竜人』に成り果てた彼は、忌むべき人間達を殺しつくすまで、人には戻れなくなるのです。
 そして、世界に自分だけが残ったとき、ようやく南竜一に戻れるのです。
 誰一人いない、そんな世界で、彼は孤独な再生を遂げるのです……。

――止めてあげなきゃ…!! 

 美奈子は目を見開きました。
 そして―――
 「アーミィィ・オブ・ザ・ヘィデスッ!!」
 彼女は激しく“吠え”ました!
 彼女がひび割れた大地に手を置くと、そこから数百の闇の魔物達が現れます。

 【恐怖を教えてあげるわ】
 と美奈子。その声は本物のドラグーン・オブ・ザ・ダークネスです…!


 召還された魔物達は、一斉に直上の竜一に襲い掛かりました。
 「うぐッ…!」
 という小さな呻き声で、竜一はその攻撃を半透明の『雷竜』で防御をします。

 「いいよ。それで、美奈子さん。そうでこそ、俺は――!」

――変身の呪文!――

 「ドラグーン・オブ・ザ・ライトニング!」
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