美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 モウモウと立ち込める灰塵が消えた瞬間――!
 【ギャァアアーン】
 という不気味な咆哮とともに、『雷竜』が大口を開けて魔法を放ったのです。
 灰塵が消えるのを待っていたのでしょう、狙い澄ました雷撃でした!

 「きゃぁああ!」という美奈子の声が、今にも聞こえてくるような光景でした! 自然界ではありえない直線の雷が、幾百も、雨のように彼女と『闇竜』へ降り注いだのです!!


 「もう止めて!!」
 Kは絶叫します。課長ですら、思わず目を伏せました。

 ただ、裕だけはモニターを見つめ続けてしました。力なく倒れ込む美奈子の姿を見つめていました。
 彼は拳を硬く握り、震わせまていました。瞳孔が震えていました。
 「クソガキが…!」


 「…おい、裕…!?」
 課長は裕の放つ異様な空気に気付き彼の肩に手を伸ばしましたが、彼はそれを払い駆け出しました。
 
 
 「……クソッ!!」
 彼は指揮車を飛び出して、“そこ”に向かったのでした。
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