美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「同じドラグーンとして、心覗く者として、悲しみと怒りを共有できると思ったのですが…」
 竜一は今までにないくらいの魔力と、…そして涙を溜めます。本当に美奈子を殺そうというのでしょう。
 「残念です、美奈子さん」


――とその刹那…!

 ゴォォォという、滝壷へと水が飲み込まれるような不可思議な音を、竜一は背中に聞きました。

 それは次第に大きくなっていき――
 「違う!」
 そう、それは“酸素を飲み込む音”だったのです!

 竜一の背後から炎の大球が襲い来ました! 竜一は美奈子にトドメを刺すべく溜めた魔法を、中空迎撃すべくそちらへ放ちます!

 
 炎と雷がぶつかり、激しいパルスと火花を散らします。

 「クッ…」
 僅かばかり力負けした竜一は、腕で顔を覆いました。
 「まさか…!」

 しかし、竜一がその厳しい視線を合わせた頃には、そこにはもう誰もいなかったのでした
 

 (いない…!?  遠距離からか……)


 ……否!

 『炎竜』と“その主”は、既に竜一の背後に回り込んでいたのです!
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