美少女戦士
イグニス・ドラグーン・ユイ!
「まぁでも…。中学生の間は勉強なんて適当でいいのよ」
麻衣の持ち前の毒ッ気が発揮されます。
「中学3年間の勉強なんて、本気になれば、一週間でマスターできるものよ。 大人なら誰だって」
「言いますね~、麻衣さん」
ユイはそう言って笑いながら、この麻衣という女性のことが母親としてだけでなく人間として大好きである、とつくづく感じました。
「今は、部活がんばりなさい」
ユイは靴を履き、玄関の扉を開きます。
「それは任せて! 私、『藤間ユイ』は浅尾美和もビックリのレシーブ力で評判なんだから!」
「あ~、はいはい。いってらっしゃい」
と、麻衣は馬鹿なことを言う娘を追い出すような態度で言いました。しかし、このような素っ気無い態度の中でも麻衣は、それがどんなに忙しい朝だとしても、ユイが扉を開け出て行く瞬間、幸せを噛み締めるように彼女の制服姿を足先から髪の一本まで、心に刻み付けるのでした。
気恥ずかしさを克して言うと、それは単純なもので、つまりは『愛』があるからです。とどのつまりは『愛』なのでしょう。
……そしてその『愛』こそが後に、最強のドラグーン南竜一を倒す唯一の力となるなどと、このとき我々の誰が想像出来たというのでしょう。我々は忘れてしまっているのかもしれません。なぜなら、現代では誰も『愛と正義』の物語を語りたがらないからです。皆、忘れてしまったのです。
だから、せめて私だけは恥かしがらずに宣言しましょう、これは『愛の(美)少女戦士』の物語なのだ、と。
ユイは玄関外で振り返ります。
「いっていまぁす! ……あ、そういえば パパは!?」
「緊急出動」
「なんか、事件?」
「そう。 『THUNDER BIRD Are GO!』」
「へ?」
……もっとも、少女はまだ何にも気付いていないのでした。
麻衣の持ち前の毒ッ気が発揮されます。
「中学3年間の勉強なんて、本気になれば、一週間でマスターできるものよ。 大人なら誰だって」
「言いますね~、麻衣さん」
ユイはそう言って笑いながら、この麻衣という女性のことが母親としてだけでなく人間として大好きである、とつくづく感じました。
「今は、部活がんばりなさい」
ユイは靴を履き、玄関の扉を開きます。
「それは任せて! 私、『藤間ユイ』は浅尾美和もビックリのレシーブ力で評判なんだから!」
「あ~、はいはい。いってらっしゃい」
と、麻衣は馬鹿なことを言う娘を追い出すような態度で言いました。しかし、このような素っ気無い態度の中でも麻衣は、それがどんなに忙しい朝だとしても、ユイが扉を開け出て行く瞬間、幸せを噛み締めるように彼女の制服姿を足先から髪の一本まで、心に刻み付けるのでした。
気恥ずかしさを克して言うと、それは単純なもので、つまりは『愛』があるからです。とどのつまりは『愛』なのでしょう。
……そしてその『愛』こそが後に、最強のドラグーン南竜一を倒す唯一の力となるなどと、このとき我々の誰が想像出来たというのでしょう。我々は忘れてしまっているのかもしれません。なぜなら、現代では誰も『愛と正義』の物語を語りたがらないからです。皆、忘れてしまったのです。
だから、せめて私だけは恥かしがらずに宣言しましょう、これは『愛の(美)少女戦士』の物語なのだ、と。
ユイは玄関外で振り返ります。
「いっていまぁす! ……あ、そういえば パパは!?」
「緊急出動」
「なんか、事件?」
「そう。 『THUNDER BIRD Are GO!』」
「へ?」
……もっとも、少女はまだ何にも気付いていないのでした。