美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

『竜使い』使い

第1章
 ~人の心は何処へ流るる…~

第2節
 ~『竜使い』使い~



 警視庁の第3会議室。

 その、いかにも荘厳な扉には、『東都美術館指輪窃盗事件』の文字が貼られています。
 200人は収容できる広い会議室一杯には朝っぱらだというのに、そして梅雨の気紛れの輝かしい晴天だというのに、重々しい空気が満ちていました。
 
 『クソ』がつくほど、真面目な刑事達です。
 ドラマのように煙草の煙は充満していませんが、溜息と疲労が部屋のあちこちで固まっていました。

 各、長テーブルには、各々の部署の代表の刑事達が座しています。
 各、長テーブルには、ミネラル・ウォーターと缶コーヒーと、緑茶が用意されています。


 ……あ、いえ、ひとつだけ…
 灰色の会議室に異様に目立つ、深紅の缶が詰まれたデスクがありました。

 大量の缶コーラです、会議室だというのに…。

 しかし、それは毎回の事であるのか、どの刑事も気にも留めません。

 というのも、その長テーブルは変人集団”として知られる、『特捜8課』だったからです。
 ここだけの話ですが、『8課』というのは表面上の顔でしかありません。

 素性は、EPD監視課。
 そう彼らは、人間社会に紛れているドラグーンを調査、監視する任務を帯びているのです。
 その存在は隠匿され、その存在を知っている者からは秘密裏に、こう呼ばれていました。

 “『竜使い』使い”と……
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