美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 彼はそのとき、誰よりも“分かっていた”のです。 
 “自分が間違っていたこと”を……!

 そして…

 “少女の愛の炎に焼かれ、自分が死ぬこと”を……!!



 「動き出した…ッ」
 それは巨大な黒い蛇が、天に座る卵を襲うような光景でした。

 「勝って、ユイちゃん!」
 Kがそう言って両手を握り合わせると、Lもまた慌ててそれを真似ました。
 
 「まぁ、どちらにせよ…」
 と言うQは、目を閉じていました。

 「あぁ、最後だ」
 と課長は続きました。
 「勝ってくれ…!!」


 
 ……このように、人々はまだ決着の行方を知りませんでした。


 しかし、本人の竜一は“分かっていた”のです。

 自分がその“温もりに焼かれる”だろう事を、知っていたのです。


 だから彼は残された一分の誇りとして、配下の化け物達のように喚き散らして狂死することのないよう、静かに最期を迎えようとしていたのでしょう。


 彼は無言のまま、強襲突撃の、つまり10万の竜が成す大蛇の、その尾を曳いていくのでした…!
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