美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ！

　大蛇、つまり単縦陣を成した軍団が、ユイを目掛け押し寄せてきていました。

　それは壮観たる光景でした。まだ直下、２０００メートルは離れているというのに、視野の７～８割は大群の黒色で埋め尽くされていました。
　
　ちょうど大蛇の金色の一つ目になる形で先頭に竜一がいる事を、ユイは見とめました。

　彼女は沸き立ちそうになる心を冷やし、溢れそうになる言葉を凍てつかせました。
　彼女はただ一言だけ、
　「……来い…！！」
　と言ったのでした。


　ほとんど筋と骨格だけになったイグニスは、バレーボールほどの大きさにまでなった光球をユイに託し、
　「ありがとう」
　というユイのキスを受けると、一挙に崩れ落ちていきました。

　
　その瞬間ユイの変身は解け、あとは重力に引かれるまま落ちていくだけです。
　
　制服姿になったユイは光球だけを抱き、自由落下に任せて襲い来る大蛇の口へ真っ逆さまに堕ちていったのです…！