美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ！

　奇蹟。そう、それは奇蹟。
　

　けれど、竜一は分かっていました。

　「ありがとう…イグニス」
　
　冥界（と人がいう虚数空間）と現世の間にある極薄の特異面とでもいうべき平面から身を乗り出したイグニスが、まだユイを守っている事を知っていたからです。
　
　「ありがとう」
　彼は言いました。そして…
　「ふぅ……」という短いため息の後、
　
　「うぉぉおおお！！！」
　なんと、あれだけ嫌悪した醜態を晒したのでした！
　
　彼は愚かしく卑小な怒号を続けました！
　「うぉぉおお！！」

　――　いったい、何故？


　それは、きっとこの物語の主題。