美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 美しい夜空でした。
 
 
 「どうしたの?」と、ユイを抱く麻衣は尋ねました。けれどユイはそれには応えずに、ジッと星々に目を細めます。


 涙が邪魔でした。
 涙のせいで視野がぼけてしまうからです。
 ユイは乱暴に目を拭います。

―― どこ?
―― どこにいるの?
 
 けれど、拭っても拭っても涙は止まりません。
 
 「先輩……見えない…よ」
 拭っても…拭っても…涙が……。
 
 

 先ほど「その指輪は何をしてやれるのか」と私は責め立てました。

 いえ、しかしその指輪は責務を果たしたのです。
 地平線、『事象の地平線』の向こうから少年の想いを届けたのでした。


 「だからもう……」
 そうです、指輪は残された力で、彼の想いをユイへと届けたのです…!

 「だからもう……“泣かないで”」



  ――泣かないで――
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