美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 一方。

 「星が……!」と、傍にいた誰かが言うのを美幸さんは聞きました。
 幾分落ち着きを取り戻し、警察やら消防やらが右往左往する人混みの中にあって、まだ空を見上げ続けている人は稀でした。
 
 しかし、その語気が妙なものだったので、美幸さんは涙を拭いて星空を仰ぎました。
 
――星が?
 
 と、見上げた瞬間、彼女は星空に吸い込まれるような感覚を覚えました。
 無限の星空へと自分の体が吸い寄せられていくような感覚です。
 
――いえ! これは……

 しかし、そうではありませんでした。
 むしろ逆です。 むしろ、“無数の星”が近づいて来ていたのでした。


 ほとんどの人に気付かれる事なく、「コツッ」、という乾いた音を立てて、最初の星がアスファルトに落ちます。

 
――これは、涙だ

 美幸さんは屈託なく笑い出します。

 「よかったね、ユイ…!」
 



 


 

 
 
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