美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 「っていうか、見た事があるみたいなんです」

 「いやいやいや。大昔で残ってない上に、『バベルの塔』は架空の言い伝えで、痕跡すら見つかって無いんだぞ?」


 『それは、大きな竜が壊しちゃったから…!』
 と、ユイは言いたかったのですが咄嗟に口を噤みました。

――皆から、馬鹿に思われちゃう…
 …でも、見たんだよ…


 「想像図などを見たんだろう」
 と、先生は言いましたが、

――違う…。
 一度、見たことがないとあんなリアルな夢は見れない…

 ……と、ユイは納得のいかない様子です。



――『バベルの塔』…かぁ……
 そして、大きな竜…
 なんて、名前だったかな…

 イ… エク……

 ユイは授業そっちのけで、窓の外の流れる雲を見ながら、その名前を思い出そうとしています。


 だからか、ユイはその視線には気付きませんでした。
 そんな自分の姿を、先ほどの美幸という娘が何かを伝えたい風で、ジッと見つめているの事にはまったく気付かなかったのです。



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